~ソノラマ文庫について~
私の大好きな高千穂遙氏や斉藤英一朗氏を、とりわけコレクターという観点から語るためには、
まずソノラマ文庫について触れる必要がある。
『ソノラマ文庫』とは、株式会社朝日ソノラマ
が出版する文庫で、私が思うに
硬派なマニア向けのタイトルが多いので有名である。かの有名な「吸血鬼ハンターD」もそのひとつだ。
そんなソノラマ文庫だが、実はその発行年度によって背表紙が異なり、大きく分けて緑色の背表紙と、白色の背表紙が有る。
特に『緑』背表紙の初版ともなれば、コレクター必須のアイテムだ。ただ同じ緑色でも良く見れば細部が異なっているので、
暇な方は是非古本屋で見比べてみていただきたい。またネットオークションをよく利用される方は、
その背表紙の写真だけである程度年代が判断できるので是非理解しておきたいところだ。
サンプルとして、クラッシャージョウ・シリーズ2「撃滅!宇宙海賊の罠」を見てみよう。一部違うものが紛れているが…
間違っても、日焼けした古本のキタナサを比べるものではない(笑)。
?~1980 | |
クラッシャージョウ初期の頃。ポイントは(1)作者別のナンバリング(26-B等)が無い、(2)価格表示が¥表記。
初版に近いものはシリーズ番号の表記が無い? |
1981 | |
おっと!いきなり価格表示が消えた!?時期的にはこの1年間のみと思われる。結構レアアイテムかも? |
1982~1984? | |
ここで(1)作者別のナンバリング表記発生。《作者番号-作者別発刊数(アルファベット)》、(2)価格表記が定価~円。 |
1985?~1989 | |
価格体系が380円前後だったものが、+20円の値上がり。ま、ささいなことだが(笑) |
1989~1995? | |
緑背表紙の時代が終了し、ここから白背表紙のソノラマ文庫が登場する。
さらに(1)作者番号が廃止され、アルファベット表記の作者別発刊数が数字表記になり、
(2)作者苗字の分類として五十音表記が追加、
(3)価格表示がP表記となる。
背表紙でないのだが、今まで折り返しにあった文庫の紹介文および著者略歴が裏表紙に移動し、著者の顔写真が追加される。
ただし1991頃からは著者略歴のみが折り返しに戻される。 |
1997?~ | |
白背表紙の進化?(1)SONORAMA BUNKOの変なマークが新たに加わり、(2)価格表示が¥表記に戻る。 |
さて、ここからは余談なのだが、このクラッシャージョウ・シリーズにおいて朝日ソノラマは重大な過ちを犯している。
下のクラッシャージョウの一覧を見ていただけばお解りになると思うが、そう、作者別発刊数のナンバリングを間違えているのだ!
おそらく、途中で気づいて訂正しようと試みた形跡があるのがシリーズ7「美しき魔王」で、"26-G"と"26-H"の
2種類が存在する。
ちなみに初版は"26-H"。その余波として"26-I"のナンバーは映画版「虹色の地獄」と外伝1「ドルロイの嵐」の
2つに共有されている(笑)
注意!古本屋としてブックオフを利用する場合は注意が必要。
なぜならチェーン店としての体質上、同時に同じ文庫が2冊以上入荷した場合はカバーが入れ替わっている可能性が大だからだ。
私も何度かだまされたことがある…(人聞きが悪い?)
|