AREOPAGUS ARTHER / 黄金炎柱祭
2003/05/09 更新
特集#03 漫画研究団体アトラスとは!?
英語タイトルは勝手に付けたものです。
士郎正宗氏のATLASデビュー作品。
ATLASとは漫画研究団体アトラスが発刊していた同人誌です。
アトラスは士郎氏の姉が出入りしていたサークルで、大阪芸術大学在学中の氏が遊びに行ったところをつかまったそうです。
この 『黄金炎柱祭』 はATLASのVol.7からVol.11まで連載されていた未完の作品(またか…)ですが、そこはデビュー作、最初と最後で絵柄がまったく違う!
悪く言えばマンガを描き慣れていなかった、よく言えば連載をこなしていくうちに随分と上達したということです。
特に後半の時期は、ATLASの人気を背負って立つ人気作品となりました。
というか、他に掲載されている作品のデキがあまりにも良くなかったという話も…
右の絵はATLAS Vol.6での予告カットです。
ちょっと見辛いですが、この物語の主人公 「アーサー・バン」 の持っている本のタイトルが[ATOLAS]となっていて、
そのすぐ下に[↑ ATLASのまちがいです]と書かれています。おちゃめだね。
左は 『黄金炎柱祭』 第1話、主人公と謎の女性との出会いのシーンです。
『アップルシード』 の頃の士郎氏は、よく大友克洋氏の影響を指摘されていますが、最初の頃はどうも、
メカの計器の表現や女性の目の描き方等を見ると、松本零士氏の影響が色濃いようです。
ちょっと人物のアップを多用しすぎかなぁ。
まぁ絵や構図は多少荒いものの、ストーリーは非常によく考えられています。また話の展開も、
複数人のムサい男たちが議論を交わしながら戦闘・探索していく様など、後の 『GUN DANCING』 や 『PILE UP』 等をホウフツさせてくれます。
この辺はまさに士郎節として今の警察・機動隊モノに引き継がれていると言っても過言ではないでしょう。
- 第1話イントロより -
「4年を1周期とし、2年に1回 黄金炎柱を噴く観光惑星アレオパガス… 雨季の炎柱は銀河系の最終日のプログラムであるが、
乾季において これを好んで見る者は まず、いない。」
ギリシャ神話的講釈 |
アレオパガス |
アテネにある丘の名前で、"罪を問われる場所"の意味合いがあります。
この辺の記述は文献によって曖昧なのですが、ソクラテスやディオニュソスが他宗教をギリシャに持ち込んだことをこの地で裁かれた事に由来しています。
士郎氏は 「最高裁判所」 と言っていますが(ATLAS Vol.8)…ま、これ以上の解説はネタバレになりそうなのでここまで。 |
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