sTwo - 士郎正宗の温故知新!

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管理者: sTwo

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特集#05 - 『ブラックマジック』をもう一度
2006/05/08 更新
ブラックマジック
特集#03 漫画研究団体アトラスとは!?

士郎正宗氏の同人誌時代に発表された作品 『ブラックマジック』。
この作品は、士郎氏の個人本デビュー作であり、後の士郎作品の全ての要素が詰まっている "元祖" 的作品です。 またこの個人本がきっかけで、青心社からプロ(?)デビューを果たすことが出来た奇跡の一冊でもあります。

今回の特集では、そんな 『ブラックマジック』 を読み進める上で、士郎正宗作品初心者の方に少しでも役に立ててもらえれば、ということで色々とまとめてみました。 とは言っても、これから 『ブラックマジック』 にチャレンジする方だけでなく、もう既に読んでしまって本棚のスミに追いやった方でも、古本屋に売っ払った方でも(笑)、 この特集を読めばもう一度 『ブラックマジック』 を味わいたくなると思いますので、是非最後までお付き合い下さい。

2006/05/08 sTwo

CONTENTS

  1. ブラックマジックの世界
  2. 登場人物紹介
  3. 予備知識
     - ギリシア文字を使いこなそう
     - 目釘抜き? 茎(なかご)? ~ 刀のあれこれ
  4. ブラックマジック誕生秘話
  5. 関連グッズ
  6. 個人誌版と青心社版との比較


1. ブラックマジックの世界 

ブラックマジック』 と、一冊の作品としてタイトルは付けられているものの、その内容は ほぼ1話完結のオムニバス形式です。 中でも 「4. BOOBY TRAP」 は、1987年に士郎正宗氏自身の手(監督・脚本・絵コンテ)によってアニメ化される程、単独で完成度の高いエピソードです。 しかし完全にそれぞれのエピソードが独立しているか?というと、そうではなく、ちゃんと1つの大きな物語が背景で進行しています。 この背景、実は後の作品 『アップルシード』 を読み解く上で、非常に重要な鍵が隠されているようですが・・・

- 舞台は太古の金星から -

ブラックマジックを1回読んだだけでは、恐らく皆さん 「??」 と全体の内容がよく判らなかったと思いますので、まずは物語の舞台から抑えていきましょう。 メインの舞台となるのは金星。 ♪水金地火木土天海冥~、の、金星です(笑)地球より太陽に近い惑星がこの物語のステージとなります。 金星文明が発展する中で、爆発的に増えていく人口と、その需要を補うための供給資源の不足により、金星人は次々と他の惑星へ侵出していったようです。 金星を含めて5つの星に移住しているようですが、作品中では特にどの惑星とは明言されていません。 明確に読み取れるのは地球と、土星の衛星タイタンです。 ではそれぞれのエピソードがこの舞台のどこに位置するかといいますと・・・

注)↓ 惑星上の位置はイイカゲンです(笑)
ブラックマジックの各エピソードの舞台は・・・ 1. PROLOGUE
金星の一大都市テオティワカンにある飲食店 「鬼丸」 から物語が始まります。 この鬼丸はサボットの襲撃にあい、後にスペースラブの船内に店舗を移します。

2. BOWMAN
地球にキャンプをはっている第3惑星調整団に舞台は移ります。 ここでは今まさに金星人が地球に移住するための最終調整が行われています。

3. OPEN UP
遊牧集団 「マジックキャラバン」 のスペースラブ船内中央街の 「鬼丸」 が舞台となります。 次の 「BOOBY TRAP」 へと続く前フリ的エピソードですね。

4. BOOBY TRAP
再び金星が舞台となり、サウス・ロブアウトランドディフロディアとマリオを追って特殊部隊が移動して行きます。

5. CITY LIGHT
土星の衛星タイタン近くで出港準備中の、恒星間移民船団の船プロクルステス号が舞台です。

6. EPILOGUE
再度スペースラブ船内中央街の 「鬼丸」 が舞台となります。 そしてデュナ・テュフォンは・・・・・・

と、このような感じです(解り辛いかな?)。

ちなみに 「2. BOWMAN」 の最後で、惑星間巡航ミサイルによって月面の人工太陽が破壊されますが、そこで

    「弾道はみごと月面の人工太陽を、直径770kmの岩盤ごと火星軌道の外にまで吹き飛ばし・・・」

と説明されている岩盤は、恐らくその後に小惑星セレス(ケレス、Ceres)となるのではないでしょうか? セレスは火星と木星との間にある小惑星帯の中で最も大きい小惑星です。 現代の観測結果によるとセレスの直径は900km強と、文中の770kmとは異なりますので、ひょっとして二番目に大きい小惑星パラス(Pallas)かもしれません。 小惑星帯の中の一つの小惑星が地球に衝突したために、6,500万年前の恐竜の絶滅が起こったという説もあることから、士郎氏はこの辺を物語に引用したのではないでしょうか。


2. 登場人物紹介 

- 金星人 vs バイオロイド -

さて、各エピソードの舞台を一通り抑えたところで、次に登場人物をチェックしてみましょう。
ブラックマジックには多種多様なキャラクターが登場してきますが、いったいどれだけの登場人物が出てきて、人間? バイオロイド? エイリアン? それぞれがどういう勢力関係? とそのまま読んだだけではやっぱりよく判りません(笑) ということで、メインとなる登場人物の簡単な相関図と、それぞれのエピソードでの登場人物をまとめてみました。 これらの関係をしっかりと頭の中に入れておいて、もう一度ブラックマジックを読み返せば、今まで見えなかった部分が見えてくるかも?

ブラックマジック・簡易相関図

以下に主な登場人物を挙げてみました。 それぞれの名前の横には [ バイオロイド ] や [ 金星人 ] などの種族(?)を示しています。 作中から明確に読み取れないものは [ ??? ] としています。
名前の下には英語表記を示しています。 それぞれの名前の引用元が判るものや推測できるものは説明文に書き加えておきましたので、ぜひ独学の参考にどうぞ(笑)

デュナ・テュフォン [ バイオロイド ]
デュナ・テュフォン ( Duna Tuphon / Typhon, Typhoeus )
執政官長ゼウスの政治を不審に思ったネメシス(ガイア)が、バイオロイド生成専用頭脳タルタロスに作らせた最後のバイオロイド。 一度はゼウスによってエトナ山にて叩かれたが、再度生成された。 固体戦力が惑星間軍隊の5個師団に匹敵する魔法使い。
ギリシャ神話のテュフォン(テュポン)は、シチリア島エトナ山(Aitna)の火山守護神としても知られる。 足の代わりに 2本の太い毒蛇の体と、指の代わりに各腕に 50匹の蛇の頭を持ち、背中には羽が生えている。 「5. CITY LIGHT」 でヘルメスがテュフォンを 「蛇剣使い」 と呼ぶのはこのため。

  • テュフォンの仲間達
金剛鬼 [ ??? ]
金剛鬼 飲食店 「鬼丸」 のマスター。 鬼角とロバ耳、第三の目を持つ。 テュフォンが生まれた時にネメシス(ガイア)から一振の剣(クタの剣)を預けられ、後にテュフォンを護衛する事が本職。
仏教の 「執金剛神」 が元ネタ? 執金剛神は金剛杵を執る夜叉神。
夜叉姫 [ ??? ]
夜叉姫 金剛鬼の娘。 鬼角とロバ耳を持つが、第三の目はない。 幻影を作るなどの特殊能力を持つ。 実は喫煙家。
夜叉姫といえば 「滝夜叉姫」 や 「夜叉姫伝説」 等が想像されるが、ネーミングの引用には特に意味はないと思われる。
孫悟空 [ ??? ]
孫悟空 夜叉姫の仲間で、テュフォンを師匠と呼ぶ。 念力や空を浮遊する特殊能力を持つ。 テュフォンが悟空を 「第2世代」 と呼ぶことから、バイオロイドである可能性がある。
引用は言わずと知れた中国神話の 「斉天大聖(孫悟空)」 。
ソロモン [ ??? ]
ソロモン ( Solomon / Shlomo )
テュフォンの使い。 機動艇のパイロットでもある。
旧約聖書に登場する 「ソロモン王」 から引用? ユダヤとアラブでは、ソロモンはデーモンを支配した伝説があり、作中の風貌はそのデーモン寄り?
(名前無し) [ ??? ]
(名前無し) テュフォンの使いパシリ(笑)
悟空からは 「…あんたも大変だね」 と同情されるほど、テュフォンにコキ使われているらしい。
「鬼丸」の従業員 [ ??? ]
「鬼丸」の従業員 金剛鬼が経営する飲食店 「鬼丸」 の従業員。
チョイ役ではあるが、漫研アトラスの主要メンバーがモデル? 恐らく上段左から八木貴司(ぴゅあ)氏、山本京嬢、永松勝己氏、下段左から北奥秀樹氏、杉原貴和氏、那須野大介氏。
  • テオティワカンの面々
ネメシス (ガイア) [ 超巨人級コンピュータ ]
ガイア ( Nemesis ) ( Gaia / Gaea )
金星人によって作られた、金星連邦の政治を一手に引き受けるシステム。 行政のためにタルタロスを通じてバイオロイドを生成する。 ゼウスの暴走を阻止すべくテュフォンを生み出した。 個人誌版では 「ガイア」 という名であったが、青心社版では 「ネメシス」 と改名される。
ガイアはギリシャ神話での大地の女神でテュフォンの母親でもある。 一方、ネメシスは復讐(Resentment)の女神、または幸福と不幸のバランスを管理する神でもある。 世の中が幸福すぎると、彼女はわざと損害と苦痛を引き起こすという、ハタ迷惑な神でもあった。 改名はネメシス仮説を引用したかったのかな?
ゼウス [ バイオロイド ]
ゼウス ( Zeus )
現・執政官長。 政治を司る都市、テオティワカンにはバイオロイドのみが存在し、政治を受ける側の金星人を不要と判断、排除する方向へと政治を動かす。 邪魔をするテュフォンを敵視。
ゼウスはギリシャ神話の主神。
ヘルメス [ バイオロイド ]
ヘルメス ( Hermes )
ゼウスの息子。 外宇宙進出計画のコミッショナーとしてプロクルステス号に乗り込み、ゼウスの命により人類滅亡を謀る。
ギリシャ神話のヘルメスはゼウスの使いパシリ。
ゼウスの私兵 [ ??? ]
ゼウスの私兵 ゼウスからテュフォンを殺すよう命じられたA級認定の憲兵。 彼らの前にも同様な刺客が送られたが失敗に終っている。
タルタロス [ バイオロイド生成専用頭脳 ]
タルタロス ( Tartarus / Tartaros )
バイオロイドの生成を担当するコンピュータ(?)。
ギリシャ神話では下界や地獄、奈落を意味する。
  • 第3惑星調整団 - 2. BOWMAN
パンドラー [ 金星人 ]
パンドラ ( Pandora )
調査団の調査主任。 調査団に参加しているが、金星人による地球介入に反対している。 ゼウスの陰謀により、潜水戦艦エピメテウス号の惑星間巡航ミサイルによって月基地の人工太陽を破壊させられる。
ギリシャ神話では、ゼウスからプロメテウス・エピメテウス兄弟に送られた贈り物で、人類最初の女性という説もあるので神ではない。 エピメテウスと結婚し、好奇心に負けて開けてしまうのが有名な 「パンドラの箱」 。 パンドラの箱は諸説あり、ゼウスら神々から送られた祝福の箱であったり、エピメテウスの家にあった毒物の壺でもあったりするが、箱を開けて最後に残った(出た)のが 「希望」。
エルビス [ 金星人 ]
エルビス ( Elvis / Elpis )
調査班の一員。 パンドラーの彼氏(?)。
ギリシャ神話の文献では明示的にエルビスの名は登場しないが、パンドラの箱が開けられて最後に残った(出た)のが希望(ギリシャ語で Elpis )で、ここから引用された。
タジオ [ 金星人 ]
タジオ 調査班の一員。 エピメテウス号のクルーになる予定だが、通常の調査活動では 「ライラ-3」 を使用する?(作中に 「RAIRA-3」 のギリシャ文字表記なし) メンバーではリーダー的ポジション。
タキオ [ 金星人 ]
タキオ 調査班の一員。 エピメテウス号のクルーになる予定だが、通常の調査活動では 「ライラ-1」 を使用する。
アニタ [ 金星人 ]
アニタ 調査班の一員。 エピメテウス号のクルーになる予定だが、通常の調査活動では 「ライラ-2」 を使用する。 メンバーでは紅一点の女性。
総監督 [ 金星人 ]
総監督 調査団の総監督。 彼の演説は無駄に長くて退屈らしい。
整備士 [ 金星人 ]
整備士 エピメテウス号の無名の整備士。 自分から片付いてくれる便利なやられキャラ。
  • 金星連邦軍部 - 4. BOOBY TRAP
アーサー大尉 [ 金星人 ]
アーサー大尉 ( Arthur )
軍の特殊部隊 「白いリカオン」 のリーダー。 すばやい状況判断能力と巧みな戦術能力を持つ。 実は 『黄金円柱祭』 のアーサーと同一人物という設定。
イングランドの円卓の騎士伝説のアーサー王から引用。
ロジャー [ 金星人 ]
ロジャー ( Roger )
軍の特殊部隊 「白いリカオン」 のメンバー。 白兵戦車 「ウシュマル」 を操る。 コスコの彼氏?
アメリカのSFファンタジー作家、ロジャー・ゼラズニイから引用?
ブラウ [ 金星人 ]
ブラウ 軍の特殊部隊 「白いリカオン」 のメンバー。 M-77 を目の当たりにしてビビる。 この顔を見て 「おまえがマリオだろう」 というツッコミは無し。
コスコ [ 金星人 ]
コスコ 軍の特殊部隊 「白いリカオン」 のメンバー。 作中ではコスクとも呼ばれるが恐らく誤植。 ロジャーの彼女?
ジョルジュ [ 金星人 ]
ジョルジオ ( Georges )
軍の特殊部隊 「白いリカオン」 のパイロット。 まだまだ新米? 作中ではジョルジオとも呼ばれるが恐らく誤植。
引用は第1次世界大戦のフランスのエースパイロット、ジョルジュ・ギンヌメール大尉から?
(名前無し) [ 金星人 ]
(名前無し) 軍の特殊部隊 「白いリカオン」 のアシスタント。 アーサー大尉に好意を持つ? 作中でアーサー大尉にジュデと呼ばれているのが彼女かもしれない。

隊長 [ 金星人 ]
隊長 軍部の42団に属する。 一般兵を従えて M-66 を抑える作戦に出るが、M-77 の暴走により失敗。 彼のその後は恐らく軍法会議の結果、軽くて銃殺。
キャラとしては別作品 『ドミニオン』 のブレンテンとして生き続ける。
ドクトル・マシュー [ 金星人 ]
ドクトル・マシュー ( Matthew )
M-66M-77 の生みの親。 軍部の42団専属の研究者? 数多くの作品に登場する士郎氏お気に入りキャラ。
新約聖書の4つの福音書、マタイ( Matthew )、マルコ( Mark )、ルカ( Luke )、ヨハネ( John ) から引用?
マルドゥク [ 金星人 ]
マルドゥク ( Malduk / Marduk )
軍部の42団所属。 自分の名前入りの白兵戦車に乗ってさっそうと登場するも、「えっ!」 の一言で M-77 に殺されてしまう。 "マルドゥク"は白兵戦車の名前かも?
マルドゥクとはバビロニア神話に登場する神の名前。
 

  • その他 - 5. CITY LIGHT
艦長 [ 金星人 ]
艦長 ケンタウロス大旅行船・プロクルステス号の艦長。 感傷的な一面を持つ。 作中に艦長の名前は出てこないが、設定としては "プロメテウス" という名前があったという説あり。
ギリシャ神話のプロメテウス( Prometheus / Prometheas )は人類の悲惨を救った恩人として位置づけられていて、人類に火をもたらしたとされている。
ちなみにプロクルステス号はギリシャ神話のプロクルステス( Procrustes / Prokroustes )から引用。 「無理に型にはめようとする」 という意味を持つ 「プロクルステスの寝台( Procrustean bed )」 の故事は特に関係なし?

  • 主なロボット・マシン
マリオ [ ロボット兵 ]
マリオ ( MARIO )
「4. BOOBY TRAP」 に登場。 金星連邦の軍部42団が保有するロボット兵。 ドクトル・マシュー作。 攻撃命令(アタック)で敵を攻撃し、帰床命令(ブロック)で自分のベッド(固定台)に帰る。 人型は M-66。 6本腕の M-77 は対戦車用。 M-88 はベッド(固定台)が不要。 戦線で稼働していた4機の M-66 は、テュフォンにより停止させられ、整備のため中央に戻される輸送ヘリの中で、混乱目的のために作動再開させられる。 マリオネットが語源。
ウシュマル [ 白兵戦車 ]
ウシュマル ( USHUMAL / Uxmal )
「4. BOOBY TRAP」 に登場。 人型をした白兵戦車( C.C.T. / Cross Combat Tank )。 パイロットはコンタクターと呼ばれる装置を装着し、それによって腕の動きがトレースされる。 実はこれが士郎正宗作品最初のランドメイト(の原型)。 作中はボディが砂漠用のウシュマルで、アームは装甲のない細かな作業用のサクシュアンとの混合。
ウシュマルはメキシコにあるマヤ文明の遺跡の名前から引用、もしくは 「牛丸」 から? サクシュアンの元ネタは不明。 「搾取(サクシュ)」 からの造語?
ヘカトンケイル [ サボット ]
ヘカトンケイル ( Hecatoncheir / Hekatonkheir, Hecatonchire, Hekatonkheire )
「5. CITY LIGHT」 に登場。 ヘルメスが対テュフォンで使用したサボット(遠隔操作の自動機)で、半自律型の特製品。 遠隔操作にはヘッドセット型のものを使用する。 背中には13個の収納型アームを持ち、その先端から電撃を放出することができる。 テュフォンはその見た目から 「黒牛」 と呼ぶ。
ギリシャ神話の4大巨人族の一つ、ヘカトンケイルが元ネタ。 100の腕と50の頭を持ち、タルタロスの獄門の門番をする。 複数形の呼び名は 「ヘカトンケイレス」 で、コットス、ギュゲス、ブリアレオスの3神が含まれる。

  • 隠れキャラ
ノリモチ&キナコ [ 金星人? ]
ノリモチ&キナコ 後の士郎正宗作品に数多く登場する背景キャラ。 いつも登場するたびにヒドイ目にあっているという、なかなか報われないカップル。

「生活費を切りつめて、食事がなくてもカクザトーを溶かしてそれで髪の毛を固めているなかなかのパンク。 背景キャラであるせいでパンクファッション性は充実していない」 とは士郎氏談。

鋼鉄はがね&キン太 [ 金星人? ]
鋼鉄はがね&キン太 こちらも後の士郎正宗作品に数多く登場する背景キャラ。 ザク頭の鋼鉄はがね氏と、トンガリ頭のキン太北奥秀樹)氏は、よくペアで背景キャラとして出没する。

ちなみにはがね氏のセリフ中の 「AFFV」 は、「アーマー・ファイティング・フィギュア・ビークル( Armor Fighting Figure Vehicle )、つまり装甲戦闘人型車両のこと」 とははがね氏談。


3. 予備知識 

- ギリシア文字を使いこなそう - 

ブラックマジック』 だけでなく、士郎正宗作品にはよくギリシア文字表記を見かけます。 パッと見では何と読むのか判らないけど、何かそれなりにカッコイイ・・・ということで(笑)、あなたも身の回りのアルファベットのラテン文字表記をギリシア文字表記に変えてみましょう。 (現代使われている A, B, C, ・・・, Y, Z のアルファベットはラテン文字という文字の種類です。 ギリシア文字もアルファベットの文字の種類のひとつです)
ギリシア文字とラテン文字の対比としては、それぞれの文字の起源からたどるものと、現代における個々の文字の読み方の単純対比とによって大きく違ってきます。 以下に挙げる一覧は読み方からの対比表です。 ちなみに、一般的に使われるラテン文字のアルファベットは26種類なのに対して、ギリシア文字は24種類しかないため、対応できない文字が2つあります。

ラテン文字 A / a B / b C / c D / d E / e F / f G / g H / h I / i J / j K / k L / l M / m
ギリシア文字 Α / α Β / β Χ / χ Δ / δ Ε / ε Φ / φ Γ / γ Η / η Ι / ι Κ / κ Λ / λ Μ / μ
読み方 アルファ ベータ   カイ     デルタ   イプシロン ファイ   ガンマ   イータ   イオタ   カッパ   ラムダ   ミュー  

ラテン文字 N / n O / o P / p Q / q R / r S / s T / t U / u V / v W / w X / x Y / y Z / z
ギリシア文字 Ν / ν Ο / ο Π / π Θ / θ Ρ / ρ Σ / σ Τ / τ Υ / υ Ω / ω Ξ / ξ Ψ / ψ Ζ / ζ
読み方 ニュー   オミクロン パイ   シータ   ロー   シグマ   タウ   ウプシロン オメガ   クシー   プサイ   ゼータ  

ガイア
[ ΓΕΙΡΕ ]

ラテン文字では GEIRE 。
正しくは GAIA または GAEA なのですが・・・(苦笑)

ライラ
[ ΡΑΙΡΑ ]

ラテン文字では RAIRA 。
パイパじゃないですよ(笑)

マルドゥク
[ ΜΑΛΔΥΚ ]

ラテン文字では MALDUK 。
一般的には MARDUK なんですけどね(苦笑)


- 目釘抜き? 茎(なかご)? ~ 刀のあれこれ - 

「1. PROLOGUE」 でテュフォン金剛鬼から一振の剣(クタの剣)を渡された時、テュフォンが言った言葉、
「目釘抜き、目釘抜きはある?」

    「目釘抜き、目釘抜きはある?」
    「茎(なかご)に何かある……!?」

これを読んで、あなたは何のことか理解できましたか? 私は最初チンプンカンプンでした。 いつもの士郎的造語か何かだろうと思って(笑)・・・ テュフォンは 「茎(なかご)に何かある」 と言い、それを調べるために 「目釘抜き」 を必要としているようです。 では 「」 や 「目釘抜き」 とは何を指すのでしょうか?

これらは日本刀に関係するようです。 まず日本刀の部位の名称をチェックしてみましょう。
日本刀の部分・名称 これによると、 「茎」 は柄(つか)の中に納まっている刀本体の部分で、柄とは 「目釘」 によって固定されているようです。  (画像参考: 古刀再現 刀匠 藤安将平

テュフォンは茎を調べようと、柄を外すために目釘を抜こうとします。 その際に使用する道具が 「目釘抜き」 ということです。 では 「目釘抜き」 とはどんな道具でしょう?

「目釘抜き」 実はこの 「目釘抜き」、実際に作中に描かれています。 23ページ(個人誌版は25ページ)の右下のコマ、よーく見るとテーブルの上に日本刀の手入れ道具が置かれています。 あなたは気付きましたか?

目釘抜きは単に棒状の物が多いですが、縁起が良いということで、打ち出の小槌の形をしたものもあるようです。  (画像参考: 武士の魂 日本刀の世界

さて最後に、目釘抜きで目釘を抜いて、柄を外すのですが、この時テュフォンが行った仕草、23ページ(個人誌版では25ページ)右上のコマ。 何気ないヒトコマですが、これも実はちゃんとした日本刀の手入れ方式に従ったやり方なのです。 そのやり方とは・・・
柄の外し方

  • 柄の外し方:
    左手で柄頭を確実に握り、棟側が自分の右肩に担ぐような感じで刀身を斜めに立て、右手の拳で柄を握っている左手の手首を打つと柄が緩んできます。  (参考: NPSカットラリー商会
実際の写真と見比べてみても、そのやり方が正しいのが良くわかります。 士郎氏もなかなか凝った事をやりますねぇ!(笑)  (画像参考: Japanese Art Swords


4. ブラックマジック誕生秘話 

ブラックマジック』 には、1983年に漫研アトラスから出版された 「個人誌版」 と、1985年に青心社から出版された 「青心社版」 があります。 ここでは、難産の末発表された 「個人誌版ブラックマジックの誕生秘話について触れてみたいと思います。

- 『マジックキャラバン』 からの出発 -

デュナ・テュフォン 時は 1981年、同人誌 『ATLAS』 に連載中の 『黄金円柱祭』 が最終話に近くなった頃、士郎正宗氏は編集長の杉原貴和氏にある相談をしました。  「次の連載モノはできれば一気に発表したい」 と。 この時すでに 6話分のストーリーがあり、士郎氏はそれを一冊の個人誌として発表したいとのことでした。 そのタイトルが 『マジックキャラバン』 です。

そう、士郎氏はこの頃から既に、連載形式ではなく、全編書き下ろして一気に発表という形式を好んでいたのでした。 後の 『アップルシード』 も同様の形式がとられる事となります。 ま、これは余談ですが。

当時の漫研アトラスは、メインのメンバーがワリカンで印刷費を出し合って同人誌を発行していたため、個人誌という形式での出版には抵抗があったようです。 そこは士郎氏と杉原氏の熱意もあってか、最終的にはメンバーの了解を取り付けることができ、漫研アトラスから個人誌を発行しようとなったのでした。 当初の予定では 1982年12月中旬に 『士郎正宗個人集』 発表、としてスケジュールが組まれたのですが・・・(波乱の幕開け)

- 膨らむ構想 『ブラックマジック』 へ -

さて、士郎正宗氏は自分の気に入った部分から描き始めるクセがありまして、一番最初に描き上がったのは、マジックキャラバン第4話の 『コロシアム・ピック』 でした。 第4話の完成を記念して、そのコピーを何名かに配ったようです。 その第4話のコピー本は、マジックキャラバンとしての全体発表前に、別の漫研から発刊された同人誌 『FUNYA~』 (1982年5月)に収録されました (ちなみにこれにはコピー本の表紙と裏表紙が抜かれて掲載されています。 表紙・裏表紙も完全収録されているのが後の合作同人誌 『アトパス』 (1990年9月)です)。

さてここで士郎氏に異変が(笑)。 当初の全6話の 『マジックキャラバン』 の構想が徐々に膨らみはじめ、単なるマジックキャラバンではなく 『ブラックマジック』 としての作品構成に変更したい、と、これまた編集長の杉原氏に相談をもちかけました。 世界観としても一歩進んでいると判断した杉原氏は、この大胆な路線変更にGOサインを出し、最終的に 『ブラックマジック』 として個人誌の発表を決定したのでした。 この時、A5版の 160ページで 750円、1982年11月下旬(後に11月25日と決定)発刊としてスケジュールが組まれました。

- ページ増・発売日延期・価格上昇、その原因は・・・? -

『マジックキャラバン』 からの方向転換によって、ゼロから描き始めることとなった 『ブラックマジック』、 かろうじてマジックキャラバン第5話として描いていた 『ブービー・トラップ』 を機軸として、後は描くのみ!描くのみ! なのですが・・・そこは士郎氏、マイペースの子(笑)  締め切り(10月30日) 2ヶ月前を切った 1982年9月に入っても、まだ 100ページも白紙の状態。

そこでまず、名(迷?)アシスタント、鋼鉄はがね氏が 9月に参加し、そして 10月には漫研アトラスの主メンバーも参加しての一大プロジェクト、 誰が呼んだか 「士郎プロダクション」 となって、毎週土曜日の夜になると士郎氏の自宅前には数台のバイクが並ぶ光景となったのでした。 ちなみに、夜叉姫のビキニ姿のトーン貼りを 「ワシのじゃ!」 と言ってすべて独占したのは、鋼鉄はがね氏だそうで(笑)。 有能なアシスタントもそろい、これで締め切りが守れるのか? と思ったときに事件発生・・・

それは 1982年10月3日の日曜日、かの 「超時空要塞マクロス」 の第1話放送を見てしまった士郎正宗率いる士郎プロダクション。 見終えてからしばらくは脱力感で作業に手がつかなかったようです。 というのも、当時SF色が濃かった漫研アトラスには、宮武一貴氏や加藤直之氏らスタジオぬえの影響は絶大でした。 そのスタジオぬえがマクロスをやる!ということで、ガチガチのハードSFを期待していたようです。 それが・・・スター誕生ですから(笑)、第1話を見終えた後は相当のショックを受けたようです。 (マクロスの第1話のタイトルが 「ブービー・トラップ」 なのは、何か因果があるのかな?(笑))

その後、作業は遅れに遅れ、発売日は延期され、ページも増え、価格も上方修正・・・ A5版の 200ページで 900円、1983年1月25日発刊と予定変更されました。 ちなみに、各エピソードの中で最後まで執筆が遅れ難産だったものがあったそうです。 ・・・それは? 「2. BOWMAN」 です。 話の展開上、どうしても必要なパートなのですが、士郎氏本人の気がなかなか乗らなかったようで、いつまでたっても白いページが残っていたそうです(苦笑)

- もう一波乱、表紙に隠された謎 -

年も明けた1983年1月、ようやく全ての原稿も描き終わり、予約も含め初版 1,000部に何とかこぎつけて、後は印刷するのみ・・・と、印刷所の大友出版に持ち込んだのですが、ここでまた事件発生(笑)

大友出版L.COLLECTION の規格では、表紙のイラストは原寸大の原稿でないとダメだ、ということが入稿後に判明したのでした。 裏表紙のイラストはカラーコピーで縮小して対応できたようですが、表紙の方はあまりにも色の再現性が悪く、急遽表紙の差し替えとなったのでした。 結局、当初用意した表紙のイラストは第2版に使用されることになります。

最後の波乱も何とか乗り越え、1983年2月25日、無事に(?) 『ブラックマジック初版の発行となったのでした。

ちなみにこの初版本、当時大阪にある岡田斗司夫氏の店 「ゼネラルプロダクツ」 にも持ち込まれ販売を委託していたようですが、それがきっかけで、ゼネプロが半分引き取るという提案で第2版 2,000部が発刊されることとなったのでした。 この頃の大友出版はようやく表紙原画の縮小対応が可能になっていたので、初版用に描かれた表紙を第2版で使用することになります。 それでも色の再現はイマイチだったようですが・・・(苦笑)


5. 関連グッズ 

ブラックマジック』 に関連するモノをとりあえず集めてみました。 無作為に集めるとキリがないので、ここでは漫画研究団体アトラス絡みのモノだけにとどめておきます(^^;。

予約チラシ
予約チラシ 初期の予約用チラシです。
この当時は 1982年11月25日発刊予定で、A5版 160ページ、750円でした。 チラシに書かれているコピーはというと・・・

「遥かなる過去、セレスがまだ惑星であったころ、太陽系は 硝煙と戦士達の血で満たされていた。 待望の SF戦記集、ついに登場!!」

微妙に内容が違いますね(笑)

価格改定チラシ
価格改定チラシ
こちらは発売が延期になった後の通販用チラシです。 この当時で 1983年1月25日発刊予定、A5版 200ページ、900円でした。
ちなみにこのチラシのイラストは、プロローグの没原稿から再利用したそうです(笑)
予約者用同封チラシ
予約社用同封チラシ 予約者の発送分に同封されていたチラシです。
発刊が遅れたことに対してのお詫び文が切々とつづられています(笑)

ちなみにこのチラシのイラストも、プロローグの没原稿から再利用したそうです。

 
黄金バット?
予約者特典ポスター 黒バージョン / 白バージョン
予約者特典ポスター (黒/白) 予約者特典のA2版ポスターです。

本来は黒バージョン(写真左側)が正常版なのですが、ポスターを大友出版で印刷してもらった際、 製版フイルムを受け取った下請け業者があまりにベタ(黒塗り部分)が多いのでネガとポジを勘違いしてわざわざ反転して印刷されてできたのが白バージョン(写真右側)です。

白バージョンはあまり流通していないようですが、一時期コミケで黒白ペアで販売されていたようです(未確認)。


6. 個人誌版と青心社版との比較 

漫画研究団体アトラスから出版された 「個人誌版」 と、後に青心社から出版された 「青心社版」 、どこがどう違うのか?
ということで徹底比較してみました。 比較対照の検証に使用したのはこの2冊です。 いやぁ、こうして改めてチェックしてみると、個人誌版の方は誤字が多い多い・・・(苦笑)
そして士郎氏も青心社も英語に弱い弱い・・・(苦笑×2)

個人誌
ページ
青心社
ページ
個人誌版 → 青心社版 変更内容
夜叉姫や孫悟空らのデュナ・テュフォンの呼び方の変更
 「デュナ」 → 「テュフォン
コンピュータ名の変更
 「ガイア」 → 「ネメシス
感嘆修辞疑問符の変更
 「?!」 → 「!?
6 4 ・「コンピュータ「ガイア」を作成した。」 → 「コンピュータ「ネメシス」を作した。」
・「この絶対潜主の統政下に入った。」 → 「この絶対主の統下に入った。」 (個人誌版の誤字)
7 5 ・「バイオロイドとガイアの都市、」 → 「バイオロイド及びネメシスの都市、」
・「SP専用頭脳タルタロスと」 → 「バイオロイド生成専用頭脳タルタロスと」
・「完全主義で行うウラノスに成功例クロノスがとってかわり、」
 → 「完全主義のウラヌスによってバイオロイドの成功例クロノスがとってかわり、」
・「バイオロイド規制が深まる中、」 → 「やがてバイオロイドの総量規制が深まる中、」
・「バイオロイド生成が禁止される中、」 → 「その後バイオロイド生成禁止されたが、」
8 6 「魔法鬼兵」 のルビ "MOS" が無い ( 「MAGIC ORGG SOLDIER」 の略?)
9 7 「魔法使い」 のルビ "MS" 、欄外説明 「MAGIC SHUOTER」 が無い (正しいスペルは 「MAGIC SHOOTER 」)
10 8 「仕掛で万杯だ。」 → 「仕掛で杯だ。」 (個人誌版の誤字)
11 9 「初弾装填」 → 「初弾装」 + ルビ "そうてん" (青心社の「塡」は常用外漢字)
13 11 「防護壁」 にルビ "バリヤー" 追加
17 15 あの女 噂以上のパワーだな」 → 「噂以上のパワーだな」
19 17 「ゼウスの腹兵か…」 → 「ゼウスの兵か…」 ( 「腹兵」 は 「伏兵」 の誤字?)
21 19 ・「飲酒店「鬼丸」」 → 「飲店「鬼丸」」
・「困窮」 にルビ "こんきゅう" 追加
・「不死の食神の飲酒を」 → 「アンブロシアネクタルを」、欄外説明も逆に
22 20 ・「デュナ、テュフォン」 → 「デュナテュフォン」 (以下全て置換)
・「MS戦士」 → 「魔法使い」
・「一振」 にルビ "ひとふり" 追加
・「夜叉姫」 にルビ "やしゃひめ" 追加
32 30 ・「然り」 にルビ "しか" 追加
・「MSP」 → 「サボット」 (以下全て置換)
33 31 「フィギュア」 → 「人型」 +ルビ "フィギュア"
41 39 「有難」 にルビ "ありがと" 追加
43 41 メディアがテープからディスクに。 同ページ最後のコマも閉められる蓋の部分が若干修正
個人誌版:メディアはテープ →  個人誌版:メディアはディスク
49 47 「ライラIII基が」 → 「ライラが3基」
51 49 ・「MCPで就航」 → 「自分の脳で就航」 (MCPは 「MAIN(MASTER) CENTRAL PROCESSOR」 の略?)
・「機関はMCPと」 → 「機関は頭脳部と」
・「戦斗艦を」 → 「戦艦を」
53 51 ・「さっきのも砲撃じゃなく」 → 「さっきの砲撃じゃなく」
・「遅らせただけだったろ、」 → 「遅らせただけだった
・「目的の時間があると見える」 → 「目的の時間があるとえる」
・「その点 ライラが」 → 「その点 このライラが」
55 53 モニターの文字の変更
「WAR BRIDE.」 「WARM TO YOU」
 → 「作戦は終了した。」 「君の為の武装は無い。 脱出艇もない。 御苦労だった。」
58 56 「お前士官の筋」 → 「お前士官の筋」
59 57 「おとす気だな?!!」 → 「破壊する気だな?!!」
60 58 ・「おとすなんて」 → 「破壊するなんて」
・「強靱な」 → 「強な」 +ルビ "きょうじん" (青心社の「靭」は常用外漢字(刀に点が突き抜けない))
・「は虫類」 の 「は」 に強調点
62 60 「なる程、それで潜水戦艦が………………!」 → 「でも、なんでわざわざこんな……」
(次のページも含めて内容が理解し易い様にセリフが修正されている)
63 61 「でもなんでわざわざこんな…… 直接破壊工作をするとか、空間ミサイルブイを使うとか…… 他にいくらでもあったろうに…」 → 「なる程それで……… 潜水戦艦だと発見されにくいし、大規模な施設もいらないというわけか…」
64 62 ・「そこでも増えるわ…。今みたいに……………」 → 「私たちはもう種としての限界なのよ…」
・「ふえただろうな…」 → 「ふえたかもな…」
65 63 ・「月の約6%も」 → 「月の質量の約6%も」
・「多大な迷惑と」 → 「多大な障害と」
・マンモスの絵が恐竜に
個人誌版:マンモス? →  個人誌版:恐竜?
・「元の永河惑星と」 → 「元の河惑星と」 (個人誌版の誤字)
・「この星は長い間 宇宙開拓時代に忘れられた星と」 → 「この星は長い間 忘れられた星と」
・「しかし金星では 事件とゼウスを結ぶ物は何も発見されなかった。」
 → 「しかしこの事件は 地球の進化の方向を決定づけることになった。」
67 65 前話の変更を受けてイントロが修正されている
「当時すでに考えうる全ての資源と土地の上に人は満ちあふれ更にその上増え続けていた。」
 → 「金星では人工太陽爆破事件とゼウスを結ぶものは何も発見されなかった。」
68 66 ・「金星…… ゼウスも最近は様子見てない様ね。」 → 「人間たちか…… ゼウスも最近は様子見てないようね。」
・「仕業」 にルビ "しわざ" 追加
・「でも見てろゼウスめ……」 → 「でも種はまいてあるわ。」
71 69 「一番大きな都の郊外にでも」 → 「ノース・ロブの郊外に」
72 70 「オリンポスの奴等だけどね」 → 「ゼウス達だけどね」
79 77 「サウス、ロブから」 → 「サウスロブから」
80 78 ・「あ大尉」 → 「あ 大尉」
・「シェルター内でもめているんだ。」 → 「シェルター内でおびえている。」
81 79 「10文字以内で理由をのべよ」 → 「10以内で理由をのべよ」
83 81 ・「失せい!」 にルビ "う" 追加
・「あろう御人が」 → 「あろう御が」 ( "ごじん" と読むのであれば青心社版が正しい)
84 82 「夕飯の仕卓」 → 「夕飯の仕」 (個人誌版の誤字)
86 84 ・「連絡が悪いんです」 → 「商品の個性かな?」
・「MGBでも」 → 「粒子機銃でも」
88 86 「重起動だし」 → 「機動的だし」
96 94 「M66は42団が」 → 「M66は42団
98 96 「所詮は」 にルビ "しょせん" 追加
102 100 「わく わく」 → 「わく わく」
113 111 ・「今頃はオリンポス」 → 「今頃はゼウス達
・「生物の恐ろしさ」 → 「生物の恐ろしさ」
121 119 「装填だけ」 → 「装だけ」 + ルビ "そうてん" (青心社の「塡」は常用外漢字)
125 123 「まさか作戦で使うとは」 → 「まさか作戦で使うとは」
127 125 欄外、フィット1の説明の変更
「戦斗装備の名称 1は要塞潜行装備で部隊構成とリカオン1組の事 (作者造語)」
 → 「戦闘装備の名称。1は要塞潜行装備で1部隊とリカオン1組で構成される (造語)」
132 130 「庶断」 → 「断」 + ルビ "しゃだん" (個人誌版の誤字)
142 140 欄外、ヒープガンの説明の変更
「H.E.A.P:高性能炸薬徹甲弾の事で強化ケースをもち」
 → 「ヒープガン……(H.E.A.P GUN) 高性能炸薬徹甲弾を発射する銃。弾は強化ケースをもち
156 154 イントロの変更
「思想によって国家を選ぶ(ガイア制定の連邦か、連合)事は許されていなかった。」
 → 「ゼウスの計画による恒星間移民船団が出航しようとしていた。」
158 156 「恒星間ラムジェットを旨とするが」 → 「恒星間ラムジェット推進を旨とするが」
159 157 「万景の灯は」 にルビ "シティライト" 追加
161 159 ・「来る?」 → 「来る?」
・「大人しく行動してね」 → 「おとなしく行動してね」
162 160 「MS」 → 「魔法使い」
163 161 「阻む」 にルビ "はば" 追加
167 165 「脊髄」 にルビ "せきずい" 追加
168 166 「慣性駆動のMSPか… 人間共め…」 → 「半自律型サボットか… ゼウスめ…」
171 169 ・「臆病者」 にルビ "おくびょうもの" 追加
・「か……… 慣性駆動…… するんだった……」 → 「……… 半自律型…… なんだった……」
173 171 「感応者」 にルビ "エンパシー" 追加
178 176 「SPSとか TCVは?!」 → 「SPSは!?
179 177 ・「更にこの後」 にルビ "あと" 追加
・欄外、SPSの説明追加 「SPS……Service Propolsion System 軌道修正用ロケットの事。」
 (正しいスペルは 「Service Proportion System」 ?)
181 179 ・「シュミレート」 → 「シミュレート」 (個人誌版の誤字)
・「船よいで」 → 「船いで」
183 181 ・「充填完了次第」 → 「「充完了次第」 + ルビ "じゅうてん" (青心社の「塡」は常用外漢字)
・「ヘルメスの阿保め」 → 「ヘルメスの阿め」 (個人誌版の誤字)
184 182 「IG加速を忘れるな!」 → 「1G加速を忘れるな!」 (個人誌版はローマ数字の1?)
185 183 「加速も準調!」 → 「加速も調!」 (個人誌版の誤字)
186 184 「衡角」 にルビ "ラム" 追加
・「衡角推進が本物だったからな。」 → 「衡角推進が始動できたからな。」
・「抹殺」 にルビ "まっさつ" 追加
187 185 「桁外れの」 にルビ "けた" 追加
193 191 「が没発し」 → 「が発し」 + ルビ "ぼっぱつ" (個人誌版の誤字)
194 192 「灼熱」 にルビ "しゃくねつ" 追加

ちなみに、挿絵の比較は次のようになります。

個人誌
ページ
挿絵の説明 青心社
ページ
カバー内表紙
(2版のみ)
テュフォンの剣(クタの剣)の鍔(?)の模様+星座記号の円盤 32
カバー内裏表紙
(2版のみ)
テュフォンの肩にヘカトンケイル、後ろにウシュマルとMA-77の追いかけっこ 200
3 スーツ姿のテュフォン
4 テュフォンの剣の鍔(?)の模様 2
(白黒反転)
34 ヘカトンケイル 186
66 男女の金星人(?) 64
154 妖精
188 バイオロイドとMF-66 152
195 ヘカトンケイル(裏)、テュフォン肩乗せ カバー内裏表紙
197
(2版のみ)
マリオ2体 カバー内表紙
球体の中のテュフォンと夜叉姫(2色カラー) 中表紙
素っ裸でボード(?)に乗るテュフォンと夜叉姫 1


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