BLACK MAGIC / ブラックマジック
2003/02/16 更新
特集#05 『ブラックマジック』をもう一度
士郎正宗氏の "個人本" デビュー作であり、氏の全ての元祖といっても過言ではない作品。
コンピュータ支配世界でのバイオロイド問題は 『アップルシード』へ、
魔法の概念は 『オリオン』 へと受け継がれているのがわかります。
この作品は 『ブラックマジック』 としての大枠のストーリーはあるが、その中の一つ一つは短編作品として読み切り感覚で楽しむことができます。
特に氏もお気に入りで後にアニメ化にもなった 「#4 BOOBY TRAP」 は読み応えバツグンですね!
(ドクトルマシューの初デビューという記念すべき回でもある。わらい)
『ブラックマジック』 としての作品は、
(1) 漫画研究団体アトラスが発行した個人誌
(2) 株式会社青心社が発行した商業単行本
の2種類があります。
絵柄はほぼ一緒(一部書き換えられている個所アリ)ですが、
セリフ回しや設定が異なっているので是非読み比べて欲しい!
特にイントロのナレーション部分の違いはインパクトが強かったので紹介したいです。
【個人誌版】
…ある時金星人は超巨大級のコンピュータ 「ガイア」 を作成した。
…こうして世界は政治を司るバイオロイドとガイアの都市、テオティワカンと 政治をうける金星人類の社会とにわかれた。
ガイアはSP専用頭脳タルタロスと自分の端末ロボットウラノスらを作った。
完全主義で行うウラノスに成功例クロノスがとってかわり、この頃より政治が本格的に始まった。
バイオロイド規制が深まる中、ゼウスが生成され、大規模な選挙戦の後、クロノスにとってかわった。
バイオロイド生成が禁止される中、ガイアは徐々に政治が独走しているのを不審に思い、ひそかにタルタロスと通じ、テュフォンを生んだ。
ゼウスはこれを生成直後激戦の後エトナ山にて叩いたが、ガイアは再びこのプログラムを生成し、ゼウスの目をのがれて世に育てた。
【単行本版】
…ある時金星人は超巨大級のコンピュータ 「ネメシス」 を作製した。
…こうして世界は政治を司るバイオロイド及びネメシスの都市、テオティワカンと 政治をうける金星人類の社会とにわかれた。
ネメシスはバイオロイド生成専用頭脳タルタロスと自分の端末ロボットウラノスらを作った。
完全主義のウラノスによってバイオロイドの成功例クロノスがとってかわり、この頃より政治が本格的に始まった。
やがてバイオロイドの総量規制が深まる中、ゼウスが生成され、大規模な選挙戦の後、クロノスにとってかわった。
その後バイオロイド生成は禁止されたが、ネメシスは徐々に政治が独走しているのを不審に思い、ひそかにタルタロスと通じ、テュフォンを生んだ。
ゼウスはこれを生成直後激戦の後エトナ山にて叩いたが、ネメシスは再びこのプログラムを生成し、ゼウスの目をのがれて世に育てた。
おーいおいおい、 「ガイア」 が 「ネメシス」 に取って代わっちゃってるよ!
大体ギリシャ神話的に見ても 「ネメシス」 という名前を付ける事はおかしいし(ネメシスは復讐の神だし、テュフォンなんて生まない!)、
後の 『アップルシード』 の世界観へ繋がらないよ!( 『アップルシード』 で登場するコンピュータは 「ガイア」 のまま)
このネーミング変更は、士郎氏が行ったことなのか、それとも(青心社の)青木社長のイキな計らいなのか、不明です…情報求む。
ギリシャ神話的講釈 |
ガイア |
世界で一番最初に生まれた神。女神。 |
ウラノス |
ガイアが一人で産み落とした神。ちなみにチ○ポが海に落ちてその泡から生まれたのがアフロディーテ(ビーナス)である。 |
クロノス |
ガイアとウラノスとの子供。後にウラノスを倒す事になる。 |
ゼウス |
クロノス(とレア)の子供。後にクロノスを倒す事になる。因果応報というヤツ |
テュフォン |
ガイアがゼウスを倒すために生んだ子供。最終的にはゼウスに倒される(!) |
ネメシス |
グラディウスの米版 復讐の女神。
「ネメシス仮説」 というものがあり、
約3千万年毎に1回起こるという地球上の種の絶滅の原因となっている伴星の名前にもなっている。
ん?ということは、 「#2 BOWMAN」 で地球に氷河期をもたらしたのはゼウスということになっているが、実はここをネメシスに変更したかったのか!?
真相はますます謎につつまれる!(ちゃんちゃん) |
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